黒電話の比較

各種黒電話を集めて調査してみました。

4号

外観:
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初めて見ました。とにかくかっこいい!そして重い!
昭和30年代を中心に使われていたそうです。
黒だけでなく、赤とか青とか緑もあったそうです。赤って...??

プロジェクトXにて、昔の工場の事務所で電話をするシーンで、この電話機が使われていました。(下記参照)。

重量:約2.5kg
底板が鉄板の上、受話器は中まで樹脂が詰まっているため、重いようです。

底板は平板なので、軽い材料で自作できそうです(断面が見えるので、断面も黒い材料でないとだめです)。プラ板か、やはりカーボンファイバーのFRP!
中身:下側

ベルとインダクタ・コンデンサ・端子台

配線を糸できれいに束ねてあります。
上と下が離れて配線が引っ張られないように、布のベルトで上下が結合されています。
昔のモノ作りは非常に丁寧だったんだなあと思います。


中身:上側

ダイヤル部とフックスイッチ

配線図が貼ってあります。

ベル以外の部品を取り外しても空きスペースは少なく、携帯電話を内蔵することは難しいでしょう。
高さ方向にも余裕がありません。

不要な物を外した重量:約2.1kg

受話器:524g
上筐体:670g
下筐体:862g
脱線:プロジェクトXの4号黒電話
プロジェクトXにて:
プロジェクトX(2005/4/18放送「ブランドミシン誕生 流転の技術者立つ」にて)

あるシーンではこのようなカールコードタイプの4号が使われていたが、...
別のシーンではストレートコードの4号が使われていた!!!

この角度から見る4号もかっこいい...

しかし、どうして4号が...
JUKIがいまだに4号を使っているとは思えない。
NHKが再現シーン用に用意しているのだろうか。しかも何台も。
今後のプロジェクトXでも使われているかどうか、要チェックですね(^^;

600形

外観:

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600形の赤モデルやオレンジ(コーラル)モデルもあるそうです。

また、壁掛けバージョンもあるようです。

重量:約1.9kg

中身:下側
ベルと基板

非常にシンプルです。


中身:上側

ダイヤル部とフックスイッチ

ベル以外を取り外すとこのようになります。
携帯電話を内蔵できる可能性が一番高い黒電話です。


601形

外観:
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600形とよく似ていますが、よく見ると600形の方がちょっと丸みがかっています。

重量:約1.2kg


中身:下側

601形は下に全てが付いています。
ダイヤル部と、基板(基板にフックスイッチが付いている)

ずいぶん現代的な作りにになってきました。
基板は小型部品を使用、ベルやダイヤル、フックスイッチもプラスチックを多用、ベルはアルミです。

ベルは丸いベルではなく、アルミ製の金属板をたたくようになっています。原理的には鉄琴のような感じで、音色も丸いベルより柔らかいです。

フックスイッチの配線は出ていないので、基板の裏側から電線をハンダ付けして引っ張り出す必要あり。(スイッチから先の余分な配線が影響しないよう、パターンカットした方がいいでしょう)。

中身:上側

上には何もありません。

基板はフックスイッチと一体となっており、取り外すことができません。
携帯電話を内蔵するのは難しいと思います。
不要な物を外した重量:約1.2kg

ちなみに、ベル部はダイヤル部の土台になっているため、ベル部を取り外すこともできません。

ベルの音色が良いため、携帯電話を外付けで良いならば、一番おすすめの黒電話です。
また、ほとんど部品を取り外せないにもかかわらず、一番軽量なのもポイントです。

ちなみに私は、持ち運ぶ際は、文房具屋でみつけたくっつき粘土でを使って601形の外側に携帯電話を貼り付けて使っています。
内蔵すると毎度毎度取り出すのが大変です。

ちなみに、これらの黒電話はご家庭の電話回線にて現在でも(光電話でも)使用可能です。
発信するには、ご使用の回線がダイヤル回線であることが必要です(プッシュホン回線では使用できません)。
光電話のルーターによっては、プッシュホンとダイヤルの両方に対応しているものもあります。
着信はプッシュ回線でも可能です。注意事項として、ナンバーディスプレイが有効になっていると、最初に「リンリン、リンリン」と鳴って、その間は電話を取ることができません。ナンバーディスプレイを無効にするか、「ジリリリリーン...」と鳴り始めてから受話器を取ればOKです。

外観による600形/601形の見分け方

600形と601形の外観は非常によく似ていますが、一番よく分かるのはダイヤル部の中心です。600形は金属のリングが付いています。


600形


601形

10ppsと20pps

4号と600形黒電話には、10ppsと20pps(pps:Pulse Per Second)の2種類があります。10ppsでは「0」のダイヤルが戻るのに約1秒、20ppsではその半分かかることになります。
外観から10ppsと20ppsを見分ける方法があります。電話機中心のラベルの2本線が黒のものは10pps、赤のものは20ppsだそうです。
4号の20ppsのものは数が少なく、ダイヤルが戻る早さが奇妙できつねにつままれたように感じることから(?)、俗称「キツネ」と呼ばれていたそうです。


Last update: 2005/4/18 加筆 2014/04
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